第13回更新 |
冒険結果
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散々な目に遭った虫退治も終わり、そろそろ街を出ることについて考えることにしたニュージェネレーションズ。
実行に移すのはまだ先の話になるでしょうが、その方法だけは知っておかなくてはなりません。
とりあえず、一行は街外れに住むシリアという少女を訪ねることになりました。
ライナスによると彼女は、オズと外界を隔絶する“灰色の壁”を越える方法を知る、ただ一人の人間らしいのですが……。
アヤ「ライナスも、もう少しちゃんと説明してくれればいいのにねー。自分でもわかってなかったりするんじゃないかな?」
サナル「あの食えない人の知り合いだしさー……なんかまともには教えてもらえなさそうだよね」
思わせぶりな発言が多く、なかなか核心に触れないライナスに一同の不信感爆発。さりげなく言いたい放題です。
いつもの賑やかな道中。しかし、この人だけは……。
プリシラ「そろそろ大丈夫じゃろうか……」
傍らの3人を眺めつつ、一人考え込むプリシラ婆。
その真意はわかりませんが、どうやら彼女にはコテツ達の知らない“裏”があるようです。
新たな謎を密かに抱えつつ進んでいく一行ですが、そんな彼らの前に野犬たちが出現。
まずは小手調べとばかり、戦闘に入ります。
サナルのクラスチェンジにより、今回から前衛はコテツただ一人。
しかも軽戦士はHPが少なめとあって、全体的に耐久力は落ちた印象があります。
代わりに物理火力は向上しているはずなのですが、そのあたりをどう見切って戦術を組むかがこれからの課題と言えるでしょう。
サナル「そういえばおれって、弓あんまり引いたことないなぁ……」
狩人として、今後は物理火力の一翼を担う予定のサナル君ですが、
弓を引く際に(ギリギリぷるぷる)と、微妙に危なっかしい擬音。
まだ武器の扱いに慣れていないということで、ここは今後に期待でしょうか。
ともあれ、フォーメーションに多少の変化はあれど所詮は犬が相手。
今更ニュージェネが苦戦するはずもなく、順当に勝利となりました。
構わず先に進もうとするコテツ達ですが、またもプリシラ婆のこんな呟きが。
プリシラ「時期尚早でなければいいんじゃが……」
一体、この先に何が待ち受けているのでしょうか?
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インターミッション
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それは、ニュージェネが灰色の壁に向けて出発する前後のこと。
アヤが灰魔導士の試験に合格し、パーティの体制も整いつつあった時です。
毒虫の蠢く城下町を、たった一人で歩くコテツの姿がありました。
コテツ「……ここじゃねえな。もっと向こうか……」
危険な地域であるにも関わらず丸腰で、手には何故か小さな花束。
どうやら、何かを探しているらしいのですが……。
パティ「あれー? コテツさんだ。どこに行くのかなー?」
そんな彼を見かけたベル姉妹の姉・パティは妹のパーシィに報告。
コテツが非武装で出かけたことを心配したパーシィは、単身で彼の後を追うことに。
パーシィ「あ、いた……って、こんなところに花束持って、何の用かしら……」
彼女が追いついた時、コテツは一軒の廃墟へと足を踏み入れるところでした。
不思議に思い、物陰から様子を窺うパーシィでしたが……。
コテツ「――ハヤ……ここが本当にお前ん家か、正直自信はねーが……もし間違ってたら、すまねえ」
そこには、床の上に花束を置き、悲痛な面持ちで呟くコテツの姿。
その後、隠れているところを発見されてしまったパーシィは、彼から話を聞くことにしました。
これは墓参りのようなものだと言うコテツは、それから言葉少なに“ハヤ”という少女のことを語ります。
――年齢は12歳くらいで、以前はオズの街で暮らしていた。そして……。
コテツ「――あいつは、俺が殺したんだ」
息を呑むパーシィに、静かな声で「後悔はしていない」と告げるコテツ。
パーシィ「後悔してないんなら……どうしてそんな辛そうな顔してるのよ。だから、不器用だって言うのよ……」
自分で選んだことだから、後悔はしない。でも、決して忘れるわけにはいかない。
それがせめてもの“ケジメ”だと語るコテツに、パーシィは……。
パーシィ「私が殺されたとしたら、アンタが引きずってるうちは迷わず成仏できないわ」
コテツ「もし、お前だったら……俺がお前を思い出すことを、許してくれるか?」
パーシィ「そんなの当たり前でしょ。……そんなことくらいで……」
コテツ「……ありがとう。そいつが聞きたかったんだ」
パーシィの言葉に救われ、答えを見つけたコテツは、亡き少女へと黙祷を捧げて立ち上がります。
二人がそろそろ帰ろうとした時、最後に事件は起こりました。
パーシィ「……ん?」
ふとパーシィが目をやると、コテツの肩によじ登る毒虫の姿。
パーシィ「ぎゃーーーーー!!」
大の虫嫌いの彼女はたちまち恐慌状態に陥り、悲鳴を上げて暴れ始めてしまいました。
とばっちりで右ストレートを食らったコテツは慌ててパーシィを取り押さえるものの、その勢いはなかなか止まりません。
業を煮やした彼は、とうとう彼女をしっかり抱き締める格好に。
これが若さか……。
その後、辛うじてパーシィは我に返ったものの、お互いに先ほどの抱擁を引きずってギクシャクする始末。
まったく、何をやっているんだか……。
一方その頃、遠く離れた宿の一室では、水晶玉でコテツ達を見守るプリシラ婆の姿がありました。
プリシラ「コテツやがんばるんじゃぞ(微笑)」
――それは……何に対してですか、お婆様。
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第14回更新 |
冒険結果
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オズ脱出の方法を求め、謎の少女シリアを訪ねることにしたニュージェネ。
しかし、そんな彼らを阻むかの如く、次々に野犬の群れが襲いかかってきます。
サナル「また犬いぬイヌー!」
アヤ「たくさんいるけど……何食べて生きてるんだろう?」
コテツ「……んなとこに住んでるシリアってのはどんな女だよ」
好き勝手にぼやくメンバーたちですが、それで状況が変わるわけでもありません。
引きもきらずに現れる犬たちに業を煮やしたのか、アヤの口からはとうとうこんな一言が……。
アヤ「センブラじゃ犬も食料にしてるわよ?」
センブラを故郷とするコテツからすると微妙な一言ですが、彼自身が以前に“赤犬の肉”をゲットしてしまった経験があるため、反論できません。
八つ当たり気味に犬の頭を蹴りつつ、憮然とするばかりでした。
コテツ「まだ着かねぇのかよ、もう犬どもの相手は飽きたぜ……」
距離からするとそろそろ到着のはずなのですが……。
この様子では、最後まで一筋縄では行かせてもらえなさそうです。
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インターミッション |
――事件の発端は、彼女の手料理でした。
桜花「すき焼きなの。暖めなおしたりして、みんなで食べてね(にこにこ)」
そう言って、コテツに鍋を差し出したのは桜花。
以前のお礼と、トーナメントの優勝祝いを兼ねて、腕によりをかけたとのことです。
コテツはそれを受け取ると、後日に料理の感想を聞かせることを約束して、宿に帰ることにしました。
本来ならば、ただそれだけの話であったはずなのですが……。
コテツ「――おう、ただいま。ちょっとそこで桜花と会ってよ、これ皆で食えってさ」
こう言って鍋を差し出したコテツに対し、アヤがこんな一言を。
アヤ「みんなで食べろって……何となくコテツ君の好物を作ってるって感じもするけどね(笑)」
これを聞き咎めたコテツは、自分が特別扱いされているような言い分に猛然と反論。
しかし、このことが後に思わぬ窮地を招くことになろうとは……。
数日が過ぎ、約束通りすき焼きの感想を聞きに訪れた桜花。
浮かない表情で彼女が発したのは、コテツにとってあまりに身に覚えのない言葉でした。
桜花「アヤさんからさっき聞いたんだけど……すきやき、嫌いなの?」
一体何がどう曲解して伝えられたのか、すっかり誤解を受けてしまっているようです。
しばらく二人の会話はまったく噛み合わず、話はこじれていくばかり。
コテツが精一杯の説得を試みた結果、どうにか仲直りはできたのですが……いやはや、言葉とは恐ろしい。
――そもそも、彼の素直じゃない性格が原因といえばそうなのですが。
そうやって機嫌を直したところで、桜花は自分たちが近々センブラへ向けて出発する旨を告げました。
彼女によると、オズから脱出する道は一つではなく、6つあるそれぞれの街へ向けて存在しているようです。
そこで、彼女らはまずセンブラへ行くことを選んだと言うのですが……。
“オズを出る”目的は、ここにいる冒険者たち全員が一緒のはず。
ずっと同じ場所にいた友人たちも、これからは各々の目的地へ向けて散っていくこととなるでしょう。
桜花との一時の別れは、そのほんの始まりに過ぎないのです。
これから、ニュージェネの面々はどのような道を選び、どこへ向かって進んでいくのでしょうか?
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第15回更新 |
冒険結果
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シリア訪問の道中もそろそろ大詰め。
野犬たちに悩まされつつも、ようやく“灰色の壁”のすぐ近くまで辿り着くことができました。
プリシラ「さて、確かこの辺じゃったかのぅ……」
事前にライナスから聞いた情報では、シリアの家はこのあたりのはず。
慎重に歩を進めていく一行ですが、その前には野犬たちに紛れて一頭の犬の姿が。
これまでの野良犬とは違い、きちんと訓練を受けている様子。
おそらくは、噂に聞くシリアの番犬なのでしょう。
コテツ「――面白れぇ、相手になってやらぁ」
唸り声を上げる番犬を睨みつつ、剣を構えて前に出るコテツ。
その時、犬を眺めていたアヤが意外な言葉を口にしました。
アヤ「……どっかで見たことあるよね、この犬?」
記憶を辿り、その正体を思い出すニュージェネの面々。
そう、あれは彼らが4人パーティになった日のこと。
センブラ郊外に位置する森で戦った野犬たちのボスが、“ガルフ”と呼ばれていたあの犬でした。
――何故、ガルフがオズにいるのか?
そんな疑問はさておき、目的のためには戦う以外に道はありません。
こうして、因縁の対決が幕を開けました。
かつて倒した相手ではありますが、何と今回のガルフは魔法を披露。
牙に篭められた雷の魔力が、一気にパーティ全員へと襲い掛かります。
コテツ「その動きは見えてんだよ!」
本来は不可避のはずの攻撃ですが、コテツはこれをバックスウェーで回避。
マグレ(バグ)とは言え、こちらもありえない動きです。
その後、プリシラ婆とアヤの魔法でザコが一掃されると、彼はガルフへと肉迫。
コテツ「――これが、てめえと俺の差だ!」
拳の一撃で止めを刺し、戦いに終止符を打ちました。
コテツ「ったくよ、自分の番犬くらいきっちりしつけとけとな……」
プリシラ「できたら、もっと普通に面会したいもんじゃの。年寄りには堪えるわぃ」
ガルフを退けた後、ニュージェネの面々はようやくシリアと対面。
口々に不平を漏らしつつも彼女の話を聞き、オズ脱出の方法を教えてもらうことができました。
しかし、ここからがまた長い道のりの始まりであったのですが……。
――この続きは、また次回にて。
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インターミッション |
シリアとの対面を終え、次の冒険へ向けて一時の休息を取ることにしたニュージェネの面々。
そんな折、コテツは街でパーシィと出会います。
コテツ「――よ、よう。しばらくだな、元気してたか……?」
パーシィ「そ、そーね、久しぶり。わ、私は元気だったわよ? アンタは?」
お互いにぎこちないやり取りですが、この時、両者の狼狽の理由はそれぞれ別のところにありました。
コテツ側の原因は言わずもがな、先日の一件。
どことなく怒ったような様子のパーシィを見て、抱きついた自分に腹を立てているのかと気がかりでなりません。
しかし、パーシィ側の原因はそれとはまったく関係がなかったのです。
試験官の手違いで街勇者の試験を受験させられ、しかも不合格になった際に、心無い言葉を浴びせられたことで怒っていたのですが……。
そんな事情は当然コテツの知るところではなく、さらにパーシィが恥ずかしさから多くを語ろうとしなかったため、しばらくの間、二人はどこかズレた探り合いを続ける羽目に。
結局、場の空気に耐えられなくなったコテツが頭を下げたことで、お互いの食い違いにようやく気付くことができました。
理由をひた隠しにしていたパーシィも、ここまで来たら語らざるを得ません。
こうして、一連の出来事はコテツの知るところとなりました。
そして、話を聞くうちに彼の中で生まれた疑念。
――パーシィは、もしかしたら見た目よりずっと無理をしているのではないか?
思わずそれを口にするコテツですが、パーシィはやんわりと否定。
コテツ「……お前が辛い思いしてんのって、その……困るからさ」
パーシィ「心配してくれてありがと。これで明日には元気になってるでしょー」
果たして、それはコテツの取り越し苦労なのか、或いは別の何かか。
真実はわかりませんが、この日、パーシィは笑って帰っていきました。
――ただ、それから一週間後。
コテツにとって決定的な事件が起ころうとは、この時は誰も予想しなかったのでした……。
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