New Ganarations冒険記
『野犬退治』
『Material Wars』 第3期 第119回・第121回〜第124回更新


New Ganarations
(第124回更新時)
コテツ アヤ サナル プリシラ
LV23 LV15 LV3 LV3
軽戦士 治療士見習い 斥候見習い 魔導士見習い

第119回更新
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第119回更新
冒険結果
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そんなこんなで、ようやく迎えた初任務。
街外れの林に凶暴な野犬が出没するらしいので、その調査をして欲しいというのが仕事の内容です。
当然、状況によっては戦闘になることも考えられるでしょう。

コテツ「子供が襲われるってのは穏やかじゃねえなあ。ま、初仕事といくか」
アヤ「張り切って行きましょうね」


出発前、軽く被害報告を聞きつつ、こんな会話を交わす2人。
気になるアヤの服装ですが、今回はあの白い水着ではなく、普段の魔導服姿でした。
コテツが安堵したのも束の間、彼女の口からはアレな台詞が。

アヤ「犬に衣装見せてもしょうがないし着替えてきたわよ」

人が相手だったら水着で行くつもりだったのか!?

色々と疑惑は尽きませんが、あまり気にしていても仕方ないのでとっとと出発することに。
やがて林に辿り着いた2人は、野犬の縄張りと思われる場所を発見。
同時に野犬たちも姿を現したため、そのまま戦闘に突入となりました。

「犬には犬」と、まずは飼い犬の『とら』をけしかけるコテツ。
しかし、初めての実戦に腰が引けているのか、とらはまったくもって動こうとしません。
結局、コテツが1人で前線を支えることに……。

人相手の訓練とは勝手が異なるのか、コテツは低い位置からの攻撃に対し意外と苦戦。
ファンブルで2回も足をかじられ、さらに反撃も空を切ってしまいます。

コテツ「――フェイントだ、犬には理解できねーだろ!」

……この状況で、その言い訳はあまりに悲しすぎると思いませんか、コテツ君。

そんな場面を交えつつも、何とか押し切って戦闘には勝利。
まずは野犬たちを退けることができたものの、この調子では少々先が思いやられるかもしれません。

インターミッション

野犬たちの住処に当たりをつけた2人は、そのまま探索を続行することに。
もう少し先に進んだら、まだ環境に慣れない『とら』の調教も実地で行っていくつもりのようです。

一方、それと時を同じくして。
先日に冒険者試験を終えたばかりの冒険者が2人、同じ林へと歩を進めていました。
見た目はどう見ても祖母と孫といったこの取り合わせ、ちょっと危なっかしい雰囲気もしますが……。

――はてさて、一体どうなることでしょう?

第121回更新
冒険結果
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野犬の住処を突き止めようと、さらに林の奥へと分け入っていく2人。
警戒が強まる中、コテツの口からはこんな台詞が飛び出します。

コテツ「そういやぁ、犬は赤いのがいいって親父が言ってたなぁ……食うのに」

コテツにとっては他愛のない軽口。当然、深い意図などありません。
しかし。直後、彼は言葉が持つ魔力の恐ろしさを思い知る羽目になりました。

そう――2人の前に現れた敵こそ、その赤犬であったのです。

コテツ「やめとけよ――逆に食われたくなきゃあな!」

驚きつつも、剣を手に前に進み出るコテツ。
かくて、再び野犬たちとの戦闘となりました。

2度目とあって、犬たちへの対処も少しは手慣れたようです。
今回は足をかじられて転倒させられることもなく、アヤのキュアでサポートも万全。
殆どダメージを残すことなく、野犬を退けることに成功しました。

コテツ「キリがねえな。――本気で食うか(ぼそ)」

それ、今は冗談に聞こえないよ……。

インターミッション

肉だの食うだの言っていたら、本当に赤犬の肉を手に入れてしまった2人。

アヤ「……好きなときに食べていいから」
コテツ「んなもん生で食えるか! 腹壊すだろが!?」


ここまでの台詞が災いしたか、アヤの視線は心なしか冷ややか。
慌てて否定するコテツですが、微妙に論点がズレているような気がしないでもないような。

そんな時、2人に声をかけてくる老婆が1人。

プリシラ「――すまんが、ちと人捜しを手伝ってもらえんかの?」

彼女の名はプリシラ・I・フェアフィールド。驚くべきことに、この歳で冒険者の資格を持っているようです。
コテツたちと同様、野犬の調査のためにこの林を訪れたらしいのですが、どうやらそこで連れの少年とはぐれてしまったとの事。

コテツ「ええと……とりあえず孫を探せばいいのか?」
プリシラ「いや、ワシの孫ではないんじゃがの」


すっかり孫探しと勘違いしたコテツ、その後のプリシラの言葉は全く耳に入っていない様子。
とにかく、1人では危険な場所ということに違いはありません。
急いでその少年を探すべく、一行は林の中を進んでいくことになりました。

第122回更新
冒険結果
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プリシラ婆が加わり、3人になった一行。
まずは、どこかではぐれてしまったという彼女の連れの少年を探すことに。

アヤ「お孫さん……犬に襲われてないといいけどね……」

コテツの勘違いが伝染ったのか、アヤの口からもこんな台詞が。
しかし、今はそんなことを気にしている余裕はありません。孫であれ他人であれ、ここを1人で歩き回るのは危険です。

必死の捜索も空しく、なかなか少年の手がかりは得られません。
そんな時、苛立つ一行の前にまたもや野犬の群れが姿を現したのでした。

コテツ「ち……こんな時に邪魔なんだよ!」

――しかも、その中にはまた赤犬の姿。
これを見たコテツ、応戦しながらこんなことを叫んでいました。

コテツ「肉になりたい奴から出てきやがれ!」

こういうことを言うから誤解されるんだってば……。

今回の相手は合計3体。少し頭数は増えたものの、こちらも条件は同じなので恐れることはありません。
プリシラ婆の魔法が強力だったのは勿論、ようやく調教を終えた『とら』も戦線に加わり攻撃に貢献。
またたく間に犬たちの数は減っていき、残る1匹もプリシラ婆の手によって止めを刺されました。

――ここで、お婆さんから有難い一言。

プリシラ「これから人生やり直すんじゃぞ」

いや、人生つったって犬だし。

インターミッション

野犬たちの妨害に遭いつつ、ようやく少年を探し当てた一行。
見たところ大きな怪我はないようで、ひとまずは安心といったところです。

コテツ「よう孫、探したぜ。 とりあえず、怪我とかはねえな?」
サナル「へっ、孫? あ、ケガは別に大したことないけど……孫って誰の? てゆか誰?」


どことなく間抜けな問答を交えつつ、改めて自己紹介。

コテツ「……ん、俺か? 俺はコテツ・オサフネ、見ての通り冒険者だ。ま、よろしくな」
サナル「おれはサナル・ヴィノーア。よろしく、コテツさん」


この時、コテツの身長はサナルより10cmほど上。偉そうな態度も手伝ってか、サナルは彼をすっかり年上と勘違いしてしまったようです。
実際のところは同い年だったりするのですが、それが発覚するのはもう少し先の話になるでしょう。

ともあれ、これで4人です。
お互いに2人ずつというのも心細いことですし、ここは行動をともにした方が得策なのは間違いありません。
そんなわけで、一行は全員で野犬の住処へと赴くことになったのですが……。

第123回更新
冒険結果
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そんなこんなで、パーティはようやく4人のフルメンバーに。
探索能力に優れたサナルが加入したことにより、以前よりは大分スムーズに林の中を進むことができるようになりました。

コテツ「何だ、孫じゃねぇのか……まあいいや。もうはぐれんなよ、危ねぇから」
サナル「まぁ孫みたいなもんかもだけどさ。……子供じゃないんだから大丈夫だよ」

プリシラの孫であるという誤解はようやく解けたものの、微妙に子供扱いされることに口をとがらせるサナル。
このことが、後に騒動に繋がっていくのですが……。

そんな折、一行はまたも野犬と遭遇。しかもまた数が増え、今度は4匹が相手です。
自然と戦いは乱戦へともつれこみ、色々と波乱が起きました。

まず、プリシラ婆が魔法の制御に失敗してフリーズボルトが暴走。
本人とサナルを巻き込み、周囲に結構な被害を与えてしまいます。
さらに、前列にいたサナルに犬たちの攻撃が集中し、あっという間にHPが半減するという事態に。

業を煮やしたコテツは、素手で犬を殴り飛ばして気絶させるという暴挙に出ますが、それでもなかなか戦闘は終わりません。
ようやく全ての犬を倒した頃には、コテツを除く全員がかなり消耗させられていました。

そろそろ林の最深部。犬たちの攻撃も、今後ますます激しくなることが予想されます。
ここは、一層気を引き締めてかかる必要があるかもしれません……。

インターミッション

思わぬ激戦となった今回の戦闘の後、少年たちの間ではこんな会話が。

コテツ「おい、サナル……お前は後ろに下がっとけ。犬どもも増えてきたし危ねえぞ、前にいると」
サナル「なっ……大丈夫だよ! さっきはちょっと油断しただけで……次は絶対大丈夫だから!」

あくまでも意地を張るサナルですが、そんな彼にコテツの怒りが爆発。

コテツ「――いいから下がれ! 邪魔だってのがわかんねえのか!? 相手が犬ころでもな、油断してたら死ぬだけなんだよ!」

その剣幕に、思わず一歩下がるサナル。しかし、その表情は到底納得した様子はありません。
一転して険悪な雰囲気になったその時、見かねたプリシラが仲裁に入りました。
まずはコテツの頭を軽く小突き、彼を諌めます。

プリシラ「バカもん、もっと言い方ってもんがあるじゃろうが。全くこういう所は父親にそっくりじゃのぅ」

冷静に考えれば、どうしてプリシラが彼の父親を知っているのかという疑問が先に立ったはずなのですが。
残念ながら、この時のコテツにそれに気付く余裕はありませんでした。

コテツ「――俺の親父がどうしたって!? 俺は俺だ、関係ねーだろ!?」

そう言い捨てた後、不貞腐れてぷいと後ろを向いてしまうコテツ。
必死に父親の後を追いかける彼にしてみれば、微妙に痛いところを突かれてしまったようです。
こういう部分は、まだまだ子供というべきか。

その後、プリシラはサナルに対しても後ろに下がるよう諭します。
貴重な探索役を欠くわけにはいきませんから、これはこれで妥当は判断といえるでしょう。

サナル「……わかったよ。おばあちゃんがそう言うなら、それが正しいことなんだよね……」

悔しさに歯を食いしばりつつ、プリシラの言葉に渋々従うサナル。
しかし、その後少年たちは互いに目を合わせようともしませんでした。

クライマックスを前にして、パーティを襲った不協和音。
連携もままならないこの状況、果たしてボス戦の行方は……?

第124回更新
冒険結果
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少年たちの確執に不安を覚えつつ、いよいよクエストは大詰めを迎えました。
とうとう野犬たちの住処を突き止め、ボス犬との決戦です。

ボス犬を中心に徒党を組み、唸り声を上げる野犬の群れ。
それを宣戦布告と判断したのか、頭に血が上ったコテツは剣を手に単身で突入。プリシラ婆の制止も、まったく耳に入りません。

コテツ「来いよ犬ころども。俺一人で充分だ……!」
サナル「…………っ」


その少し後ろでコテツを眺め、口を尖らせるサナル。
内外に爆弾を抱えつつ、戦闘は幕を開けました。

たった1人で最前線に立つコテツですが、今回はいつにも増して果敢な攻めを見せます。
襲い来る犬を拳で打ち払い、バックスウェーで回避した後に猛然と反撃。
自身も結構なダメージを負いつつ、犬たちの体力を削っていきます。

後列の3人も激しい攻撃に晒され、アヤのキュアもなかなか全員に行き渡らない状態。
中盤以降は誰が倒れてもおかしくない状況でしたが、魔法使いの2人が魔法の制御を維持し続け、なんとかギリギリのところで持ち堪えます。
ようやくボス犬1匹までに追い詰めた時には、全員の体力が半分を下回っていました。

4対1になってもまったく退く気配を見せないボス犬に、残る力をぶつけていく4人。
そしてラスト。
タックルで体勢が僅かに崩れた隙を見逃さず、サナルが鋭い一撃を繰り出します。

サナル「――ごめんっ(>人<)」

このクリティカルが決定打となり、長かった戦いに終止符が打たれることとなりました。

インターミッション

ボス犬も退け、無事に任務を完遂した一行。
各々の傷の手当てなども一段落し、ようやく一休みといったところです。
そんな中、まずはコテツがサナルに声をかけました。

コテツ「その……悪かったな。……ま、そういう事で」

いまいち素直ではありませんが、あの戦闘でサナルのことを少し見直したのでしょう。
その言葉を聞き、サナルも態度を軟化。軽く頭を下げつつ、こんな言葉を口にします。

サナル「おれも新米なのにデカイ口きいてごめんなさい。でもおれだってもう14で、ガキじゃないから……次はもっとがんばるよ!」

台詞の後半を耳にした瞬間、ぽかんと口を開けるコテツ。

コテツ「……は、14!? それじゃあ俺とタメじゃねーか」
サナル「へっ……え!? うそ、同い年? だってコテツさんでっかいし……ってゆーか同い年ならさんいらないじゃん!」


結局、その後はまた言い争いに。しかし、そんな光景も今ではどこか微笑ましく見えてしまいます。

アヤ「ふーん、コテツ君とサナル君て同じ歳なの? だいぶ印象が違うけど……?」

大騒ぎの2人を眺めて呟くアヤに、黙って微笑むプリシラ。

――かくて、『New Ganarations』というパーティはこの瞬間に完成したのでした。