第5回更新 |
冒険結果
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今回から、訓練場を出て仕事を始めることになったニュージェネの一行。
しかし、現状ではオズの外には行けないので、どうしても街の中で動くことになります。
記念すべき初仕事は、街に落ちている石を集めること。
と言ってもただの石ではなく、ちょっと特殊なものです。
そんなものが街のあちこちに転がっているのも不思議ですが、神隠しに遭ったこの現状では、さして驚くほどでもありません。
すんなり状況を呑み込み、仕事にかかります。
サナル「石集めればいいんだよね。宝探しはけっこー得意だよっ」
コテツ「そーいや、『とら』は元気かね……今頃何やってんだか」
コテツの愛犬『とら』を始め、メンバーが飼っていた動物たちは、パーティがオズに飛ばされたあたりで姿が見えなくなってしまっています。センブラにいるのか、オズに着いた後にはぐれたのかすらも判然としません。
行きがけにライナス氏から「野良犬や野良猫に邪魔されるかも」と忠告されたおかげで、コテツは少しその行方が気にかかったようです。
ともあれ、気にしていても仕方がないので石集めを開始することに。
しばらく黙々と地面と睨めっこを続けていた4人でしたが、そこに殺気混じりの視線。
見ると、野良猫が群れをなしてパーティに襲い掛かろうとしています。
――何匹かタンコブができているように見えるのは、この際気にしない方向で。
そんな猫たちをざっと眺めつつ、コテツがここで一言。
コテツ「――うちのは混じってねえな、よし」
イコール『殴って良し』ということなのでしょうが。それは自分たちの動物に対してあまりに失礼なんじゃ……。
もう少し信頼してあげなさいよ、可哀相に。
サナル「ナイフは使えないしなー……どうしよ」
一方、サナルは相手が小動物とあって、イマイチ気乗りしない様子。
とはいえ向こうはやる気満々ですから、とにかく追い払わなければこちらが怪我をするだけです。
考えた末、彼は苦肉の策に出るのですが……。
サナル「逃げないと投げるよっ?」
石を投げて牽制しようとするものの、狙いを外して石は猫に一直線。
サナル「……げっ!? あっ……あーっ!」
猫は間一髪でそれをかわしましたが、サナル本人はかなり冷汗をかいたようです。
その後も、猫たちは予想以上に好戦的でなかなか逃げてはくれません。
結局は、最後の一匹まで気絶させることになってしまいました。
サナル「あー……だから逃げてって……」
アヤ「おとなしくしてればいいのにねー(−−」
仲間に怪我は少ないものの、ちょっと心に傷を負いそうな今回の仕事。
しばらく、胸が痛くなる日々が続きそうです……。
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インターミッション
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今回の騒動は、アヤの自主訓練が発端となって起きました。
アヤ「さてと、コテツ君かサナル君にお菓子を買ってきてもらおうかな?」
どうやら少年たちをお使いに出すことで指揮力を鍛えようとしたらしいのですが……。
それって『パシリ』っていいませんか、アヤさん!?
案の定、お菓子を買いに行かされたコテツは不満たらたら。
それでも、アヤは涼しい顔でこう返します。
アヤ「こうすれば私の指揮力とコテツ君の体術の両方を一度に訓練できるでしょ?」
「菓子買ってくるくらいで、身体が鍛えられるなら誰も苦労しねえよ」と反論するコテツですが、会話を見守っていたサナルが一言。
サナル「コテツ、アヤさんに『指揮』されてることには突っ込まないんだ……」
コテツ「……何か言ったかね、サナル君(−−#)」
ここから一気に子供の喧嘩(イジメ?)に発展。
しばらく騒ぎが続いた後、それを収束したのはやはりこの人でした。
アヤ「2人とも何を言ってるの? 指揮力は回復魔法に必要なのに……イヤならコテツ君は回復してあげないからね」
コテツ「う……。はい、俺が悪かったです……(敗北宣言)」
このパーティ、どこまでも女性の立場が強すぎる気がする……(涙)
そんなこんなで女性に押されっぱなしのコテツですが、今回はさらに災難が。
以前に訓練場で知り合ったクロード・ヴァンチェスター氏。彼が、何と女装姿でコテツに声をかけてきたのです。
「何のイヤガラセだ」と慌てるコテツに、「仲間にはめられたんだよ」と返すクロード。(女性名クロ子)
聞けば、パーティに女性がいないために彼が女装をさせられる羽目に陥ったとか。しかし、その鬱憤をぶつけられたのではコテツとて堪ったものではありません。
コテツ「いーからとっとと仲間んとこ帰りやがれーッ!」
クロ子「うっせー、あっちに帰るとまた仲間に弄られるんだよ!」
これを聞いたコテツ、何を血迷ったかこんな一言。
コテツ「俺だって弄られるのは正直間に合ってんだ、てめーの面倒まで見てられっかボケーっ!」
――何というか。
必死だな、コテツ……。
とりあえず、今日のところは弄られっぱなしの2人に合掌。
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第6回更新 |
冒険結果
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前回に引き続いて、今回も石拾いです。
コテツ「しっかし、犬猫の多い街だなぁ。しかもタチの悪ぃ野良ばっか……」
サナル「今度は邪魔しに来ないといいんだけどね、ノラたち」
街の至るところにいる犬猫たちを眺め、口々に呟く少年たち。
仕事と自衛のためとは言え、やはり小動物に乱暴を働くのは気が進まないようです。
しかし、そんな思いを裏切るかのように、またも動物たちはやって来てしまいました。
コテツ「まともに相手すんのもなぁ……まー、何とかするか」
どこから調達したのか、猫じゃらしを手に犬猫たちを眺めやるコテツ。
何をするかと思えば……。
コテツ「――そぅら、寄って来い!」
どうやら、猫じゃらしを囮に、引きつけて叩く作戦のようです。
その割には、寄って来ていたのは犬ばかりでしたが。
てか、ただでさえあっちから襲って来てるんだから引き寄せるまでもないんじゃ……。
そんなこんなで、犬猫たちは今日もきっちり追い払われてしまいました。
比較的元気なものが逃げていくのを見送り、サナルが一言。
サナル「ふー……。伝令とかいないのかなぁ、コイツらには手ぇ出すなってさ」
――そうであれば、お互いもう少し楽ができるのでしょうけどね。
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インターミッション |
いつものようにコテツが街を散策していると、ベル姉妹の片割れ、妹のパーシィが珍しく一人で歩いていました。
挨拶がてら声をかけるコテツですが、何やら切羽詰った様子。
パーシィ「あ、コテツ……ねえ、どこかで姉さん見かけなかった?」
どうやら、姉妹喧嘩をして姉のパティが宿を飛び出してしまったようです。
事情を聞いて放っておくわけにもいかず、コテツはパティ捜索に協力することに。
早速、手分けしてパティを探しに出かけます。
一方その頃、別の場所では。
そんな事情を一切知らないサナルが、偶然パティを見かけて声をかけていました。
サナル「あれ? おーい、パティちゃーん」
パティ「うわーん、サナルさーん! パーシィが酷いのー(号泣)」
知っている顔に安心したのか、いきなり彼に抱きついて泣き出すパティ。
驚きつつもサナルが話を聞いたところ、どうやら喧嘩の原因は今回の石拾いの仕事にあるようです。
パティ「……パーシィったらね、猫とか犬とかを傷つけても気にしちゃいけないってゆーの。あんなに可愛いのに……(めそめそ)」
自分も同じ悩みを抱えているサナルは、パティに共感しつつも話を聞いていきました。
そこでパーシィが犬猫たちに攻撃する時に手加減をしているらしいということを知り、パティにこう声をかけます。
サナル「パーシィちゃんも、本当は傷つけたくないって思ってるんじゃない? でも、何もしなかったら、ケガしちゃうのパティちゃんだし……」
それを聞き、パティの表情も一気に明るくなりました。
早速仲直りをしようと、宿まで戻ることに。
ところが……。
パティ「パーシィどこ行っちゃったのー? 宿にいないなんてー(半泣き)」
当然の如く、パーシィの姿はそこにありませんでした。
パティを探しに走り回っているからなのですが、勿論そんなことは知る由もありません。
困り果てた2人はどうしたかというと……。
パティ「サナルさん……お腹すいた」
サナル「……おれもね、実はちょっとお腹空いてきたんだよね」
と、まずは宿で腹ごしらえをすることに。
呑気といえば呑気ですが……まあ、ここは多目に見ておきましょう。
一方、こちらの2人も途方に暮れていました。
パーシィ「姉さん、ホントどこ行っちゃったのかしら……(悩)」
途中でコテツが道に迷った冒険者の少年と出会い、つい話しこんだりしてしまったこともあるのですが……。
そろそろ、居場所の心当たりも尽きてきてしまっています。
コテツ「とりあえず宿に戻るか。案外、腹空かせて戻ってるかもしんねーぞ?」
パーシィ「姉さんなら有り得るわね……そうしましょうか」
疲労が蓄積してきたこともあり、コテツの提案でこちらも宿に戻ることを決定。
てか、パティは犬か猫ですか。
パーシィちゃんも否定しようよ……。
そして宿に辿り着いた時、彼らが見たのはパティとサナルの幸せそうな食事風景でした。
パーシィ「……_| ̄|○」
コテツ「――本当に帰ってるし……」
拍子抜けして、一気に力が抜けるパティ捜索隊。
八つ当たりとばかり、コテツの怒りは一気にサナルへと向かいました。
コテツ「――てかよ、一緒にいるならそう言いやがれこの野郎ーッ!!」
理不尽さ全開に、両の拳でサナルの頭をぐりぐり攻撃。
サナル「ぎゃーっ! おれの頭はコテツのゲンコツ鍛える道具じゃなーーいっ!」
サナルの悲鳴が宿に響き渡る中、当のベル姉妹はめでたく仲直り。
まずはハッピーエンドといったところですが……とりあえずサナル君に合掌。
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第7回更新 |
冒険結果
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今日も今日とて石探し。
この街、宝石の欠片などは結構落ちていたりするのですが……肝心の探し物はなかなか見つかりません。
コテツ「地面ばっか見てると後ろ向きな気分になりそーだな……」
こんな呟きを漏らすくコテツを筆頭に、ニュージェネのメンバーにもそろそろ疲労の色が。
しかし、そんな事はお構いなしに犬猫たちはやって来ます。
これが存分に暴れられる相手だったら、まだ良かったのでしょうが……。
コテツ「(猫じゃらし振りつつ)……まーた、こいつの出番ってか?」
サナル「……猫じゃらしってさー、ノラにも効き目あるの?」
それでも徐々に慣れてきたのか、すぐに臨戦態勢を整えるニュージェネの面々。
気が進まない様子だったサナルも、多少余裕が出てきた感じでしょうか。
――さて、今回の戦闘。
コテツ「――食らえ、奥義『猫かわいがり』!」
前回に引き続き、猫じゃらしで動物を引きつける戦法に出たコテツ。
まずは揉みくちゃにして可愛がり、彼らを消耗させる狙いのようです。
さらに、今回は猫用の最終兵器“またたび”を用意してきていたのですが――
コテツ「――んがぐふっ!?」
この通り、自分が吸い込んでしまいました。
『猫かわいがり』で体勢を崩していたこともあり、そのまましばらく地面をのたうち回る羽目に……。
何というか――
バカです、この人。
ともあれ、そんな一幕を挟みつつも無事に勝利。
あのミスが祟って結構削られてしまいましたが、とりあえずは結果オーライでしょうか。
戦闘終了後、アヤはうんざりした顔でこんな言葉を漏らしていました。
アヤ「石拾いっていうより野良駆除だよねこれじゃあ……」
――いやはや、ごもっとも……。
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インターミッション |
中級クラス試験が公開され、各所で受験者の姿が多く見られた今回。
ニュージェネにおいても、まずはこの方が真っ先に挑戦となりました。
プリシラ「さあ、女は度胸じゃ。どーんと行ってみようかのぅ」
と、気合を入れて黄魔導士の試験に臨んだのですが――結果は不合格。
現在オズにいる冒険者の中でも、トップクラスの魔導力を誇っているはずの彼女が落ちたあたり、試験のボーダーは割と厳しいのかもしれません。
事実、この日は他のクラスにおいても合格者は一人としていなかったようです。
その影響が、こんなところにも……。
コテツ「――よう、パーシィ」
もはやここでもお馴染みとなった、パーシバル・ベル嬢。
彼女の姿を見かけて声をかけるコテツですが、今日はなぜか反応がありません。
コテツ「――聞こえてねえのか……? おい、パーシィってば!」
心ここにあらずといった様子のパーシィを捕まえて話を聞いたところ、彼女の姉であるパティが巨兵技師の試験に落ちて塞ぎこんでいるとのこと。
普段は底抜けに明るい彼女が落ち込んだことで、パーシィもつられて沈んでしまっている様子です。
それを目の当たりにして、コテツもパティの様子を見に行くことになりました。
道中ちょっと深刻な話も交えつつ、2人はベル姉妹の泊まる宿へと到着。
まずは部屋をノックして声をかけてみるものの返事はなく、さらに扉にはカギがかかっています。
パーシィ「まさか、中で何かあったんじゃぁ……(顔面蒼白)」
切羽詰ったパーシィの言葉に、いよいよ抜き差しならないものを感じ取ったコテツ。
コテツ「ちっ……! ――パーシィ、下がってろ!」
そう言い放つと、パーシィが止める間もなく、打撃で扉の鍵を破壊してしまいました。
そして、部屋に踏み込んだ2人が見たものは――
パティ「……ぐー、むにゃ」
手に工具を持ったまま、幸せそうに眠るパティの姿。
安堵すると同時に、2人の身体から一気に力が抜けていきます。
結局は作業に打ち込んでいたというだけで、試験不合格のダメージは微塵もなかったようですが……ふと冷静になってみると、視界にはコテツが壊した扉の無残な姿。
流石に黙っているわけにはいかないと、コテツとパーシィは宿の主人に謝りに行くこととなりました。
結果、扉の弁償の代わりに薪割りと洗濯をするということで決着。
山のような仕事を前に、2人が思わず不平を漏らしていた頃……。
パティ「よくわかんないけど……直しておけばいーのかな?」
部屋では、壊れた扉の修理を試みるパティの姿が。
しかし改造を加えようとしたのが仇となって失敗、扉は原型をとどめないほどバラバラに……。
たまたまその場に居合わせたコテツの友人、フェルト・クラージアス(通称フェル)も巻き込まれ、結局は4人で労働に従事する結果に終わりました。
侮りがたし、パトリシア・ベル。
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第8回更新 |
冒険結果
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地道すぎる探索と懲りない野良犬たちに辟易しつつ、まだまだ任務続行中のニュージェネ。
今日も目ぼしい成果はなし――と、引き上げかけたその時。何と、捜し求めた石が目の前に転がっているではありませんか。
ようやく仕事を終えられると思ったのも束の間、今度はお馴染みとなった野良犬たちの姿が。
しかも、その中にはボス犬とおぼしき巨体が混じっています。
コテツ「また随分とゴツいのが来やがったな」
サナル「あのでっかい犬には、加減してたらこっちが痛い目みるかなー……」
プリシラ「なに、いつも通りやれば大丈夫じゃからの^o^」
もはや戦闘は避けられないと悟り、すぐさま臨戦体勢を整える4人。
その中でアヤは、どういうわけか例の石に固執するボス犬を見てこんな一言を漏らしていました。
アヤ「犬のくせにジュエリーを身につけて権力を誇示するなんて生意気よね」
……何か、もの凄く不機嫌に見えるのは気のせいですか、アヤさん?(汗)
そんなこんなで、石拾いクエストのボス戦開始。
いつにも増して凶暴な野良犬たちを前に、コテツは何を思ったか……。
コテツ「――上等だ、かかって来やがれ!」
いきなり木剣を放り捨てて格闘戦の構え。
コテツ「肉を切らせて――骨を断つ!」
右腕をワザと噛ませ、その隙に左のボディーブローを叩き込んだりと大暴れです。
心なしか、動きも普段より鋭いような……。
アヤ「素手で殴ったりとか相手にレベルを合わせなくてもねえ(苦笑)」
そんなコテツの戦いぶりを眺め、呆れ顔で呟くアヤ。
はい、ごもっともです……。
――しかし、状況は予断を許しませんでした。
戦闘前の一言が効いているのか、ボス犬はなぜかアヤを執拗に狙ってきます。
巨体によるジャンピングタックルの威力に回復が間に合わず、とうとう戦闘不能に……。
すかさずコテツが手刀でボス犬を沈めたものの、思わぬ痛手を被ることとなってしまいました。
教訓。
ボス犬は女好き地獄耳。
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インターミッション |
石拾いで得た報酬で、ようやく新しい剣を買うことができたコテツ。
木剣ではどうにも頼りなかったので、これで戦力アップが見込めることでしょう。
そんな時、フェルがコテツに声をかけてきました。
フェル「……悪いんだけどさコテツ。手合わせ願いたいんだけど、いいかな?」
見ると、彼も新品とおぼしき剣を携えています。
お互い新しい得物に慣れておきたいということで、コテツもこれを承諾。
かくて、2人の手合わせが開始されることとなりました。
現状で実力は拮抗しており、しばらくは一進一退の攻防。
しかし、コテツが一気に仕掛けようるべく跳ぼうとした瞬間――
コテツ「――おわぁ!?」
踏み切りを誤ってバランスを崩し、無防備な姿を晒すことに。
当然、その隙をフェルが見逃すはずがなく。
フェル「これで終わりだ!!」
一気に振り下ろされる剣に、これで決着と思われたその時――
コテツ「――させるかぁ!」
叫びつつ、左手で直に刀身を受け止めるコテツ。
直前に右腕でフェルの剣を持った腕を跳ね上げ、勢いを最小限に殺していたとはいえ、あまりに無茶です。
フェルが慌てて距離を取る中、当のコテツは自らの左手を見て一言。
コテツ「――あー、やっぱちと切れてら」
当たり前です。
指が落ちなかっただけ幸運と思いなさい。
結局、手合わせは引き分けに終わり、コテツは傷の治療のため宿へと戻ることに。
一方その頃、宿ではこんな会話が……。
アヤ「サナル君、ここに書いてあるものを探して買ってきてほしいんだけどよろしくね☆」
やけにご機嫌な様子で、サナルにメモを手渡すアヤ。
どうやら、今回も指揮力の訓練と称してサナルにお使いをさせるつもりのようです。
ぎっしり書かれたメモを見て、最初は物怖じしていたサナルでしたが、続くアヤの言葉に表情が一変。
アヤ「これはね、本に載ってたいろいろな薬を作るのよ。“背の伸びる薬”とかもあるからね☆」
サナル「――うっわ、そんなのあるの!? 買ってくる、今すぐ買ってくる!」
俄然張り切り、メモを握り締めるサナル。
そこに丁度戻ってきたコテツも誘いつつ、街へと繰り出していきました。
――てか、傷の治療は後回しですか、コテツ君。
そうやって出かけたお使いですが、事はそう簡単には進みませんでした。
メモの内容が専門的すぎて、なかなか目的のものを見つけることができないのです。
おまけに、立ち寄った薬屋では「そんなもの何に使うのか」と怪しまれる始末。
これから察するに、指定された材料がまともな飲み薬に用いられるものではないことはほぼ確実でしょう。
少年たちが徐々に不安と苛立ちを募らせる中、アヤが様子を窺いにやって来ました。
アヤ「ちゃんと品物はそろった?」
サナルへの探索の訓練として、ワザと曖昧なメモにしていたようですが……。
気になるのは、それよりも薬の中身。
コテツ「ってか、一体何の薬作る気だよ」
アヤ「何ってまずは何種類か殺虫剤がいるかなって……」
次の仕事が害虫の駆除と聞き、その準備の一環として殺虫剤を用意するつもりだったようです。
“背の伸びる薬”を期待していたサナルは少しがっかりとすると同時に、怪しげな薬を飲まずに済んだとホッと一安心。
どちらにせよ探索の訓練は必要だと、気を取り直して材料探しに戻りました。
その後何件か店を回り、ついに目的のものを発見。
どう見てもカタギの店ではなさそうですが、この際四の五の言ってはいられません。
サナル「……こ、こんにちは? あのー……殺虫剤の材料ありますか? ぴれとりん、とか……」
こうして、波乱のお使いはようやく幕を閉じました。
戻ったサナルから材料を受け取りつつ、アヤがこんな一言。
アヤ「背の伸びる薬の方はもう少し待っててね、どうも副作用があるみたいだし★」
やはり、そうそう上手い話はないということか。
――負けるなサナル、成長期はこれからだ……きっと。
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