New Generations
月に吼える虎児
AkiRa(E-No.451PL)作


月に吼える虎児
〔執筆者あとがき〕


月に吼える虎児

この場所へと初めて足を踏み入れた者は、誰もが一度は息を呑む。
岩と赤土だらけの山を登っていくと、頂上には見渡す限りの絶景が姿を現すのだ。
どこまでも続く空の青と、その下に広がる岩山の赤、まばらに点在する緑。
一歩足を踏み外せば切り立った崖という危うささえもが、ここでは畏怖すべき自然の美へと変わる。
澄み渡った空気の中、幼いコテツの目は興奮に輝いていた。

「わあ……!」

歓声とともに、全身を使ってきょろきょろと周囲を見回す。
ややあって、コテツは頬を上気させて背後に立つシローを振り返った。
「――すげえ、すげえな、父ちゃん!」
よほど感激しているのだろう。手足をばたつかせて騒ぐ息子を見て、シローも思わず相好を崩す。
「どうだ、いい眺めだろう」
「うん!」
元気よく頷き、小走りに駆け出していくコテツ。
「あまり端っこに行くなよ、落ちるから」
シローは苦笑しつつ声をかけたが、幼い背中はそれに答えない。
見ると、崖の少し手前で眼下を覗き見るコテツの姿があった。
「高いなぁ……」
そう呟く息子へと歩み寄り、からかい半分に声をかける。
「何だ、怖いのか?」
「怖くなんかないやい」
口をへの字に結び、ムキになって首を横に振る仕草が何だか可笑しい。
子供のくせに、誇りだけは一人前のつもりなのだ。
こみ上げる笑いを押し殺すように、シローは息子に語りかける。

「――まあ、獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすというからな」

軽い脅し文句のつもりだったのだが、やはり言葉が難しかったらしい。
直後シローを待ち受けていたのは、我が子からの質問攻めであった。

「しし?」
「ライオンのことだ」
「じゃあ、せんじんのたにって?」
「こういう高い場所のことだ」
「落ちたライオンの子はどうなるの?」
「そりゃあ、自分で這い上がるんだろう」
「ふーん……」

そう呟いたきり、コテツは黙り込んでしまった。
珍しく腕組みなどして考えている様子だが、シローの話をどこまで理解しているかは甚だ疑問だ。
父親の目から見ても、あまり利口な息子とは言えない。一体誰に似たのだろうか。
――何かにつけて自分そっくりと評されることについては、この際気にしないことにしておこう。
コテツはひとしきり首を傾げた後、顔を上げてシローを見た。
「なあ父ちゃん」
「ん?」
「おれってさ、トラの子なんだよね」
あまりにも唐突な言葉。
一瞬何を問われたのかわからなかったが、シローは間もなくその意図を理解した。
「ああ、そうだな」
つい先日、我が子に名前の由来を語ったことが思い出される。
“コテツ”とは“虎”と“徹す”という意味があるのだ、とシローは教えたのだが、どうやら覚えていたのは前半だけであったらしい。
そういえば、あの時も「トラの子」「トラの子」としばらく連呼し通しで、黙らせるのに苦労した。
まあ、こればかりは六歳という年齢を考えると無理からぬことかもしれないが。
シローがそんなことを考えているさなか、コテツがぽつりと呟く。

「ライオンの子と、どっちが強いかなあ」
「さあな」

今は虎の子というより仔犬だな、と内心でシローは思ったが、あまりに息子の目が真剣なので口に出すのは憚られた。
かつて戦士として冒険に出ていた自分の影響か、コテツの関心は専ら「強くなること」に注がれているように思える。
シローは息子が物心ついた時より体を動かすことを教えていたが、それはいつしか遊びから鍛錬へと変わり、今日の登山もその一環として行われていた。
正直な話、コテツの資質は父たる自分にとっても未知数だ。今はまだ、原石とすら呼べない。
ただ、課題が徐々に厳しさを増していく中、臆せず挑戦を続ける熱意だけは評価していた。
たとえ、それが生来の無鉄砲と強情の産物だとしても。


「――そろそろ、帰るぞ」
西の空に日が傾きかけたのを見て、シローが息子を促す。
「んー……」
しかし、コテツはまだ名残惜しいのか、はっきりしない返事のまま空を眺めるばかりだった。
この山は彼らが住む城塞都市センブラのすぐ近くに位置しているが、そろそろ下山しなければ夕食の時間までに帰宅するのは難しい。
心配性な妻の機嫌を損ねることは、これからの行動の自由のためにもなるべく避けたい事態である。
シローは、逆にそれを切り札にすることにした。
「あんまり遅くなると、また母ちゃんが怒る」
「ん」
今度は、コテツも素直にシローの言葉に従う。
大抵の子供にとって、母親の存在は絶対だ。コテツも決して例外ではない。
父親としては家長の威厳はどうしたということになるが、所詮世の中そういうものである。

コテツが小走りに駆けてきたその時、幾つもの羽音が不吉に響いた。
見ると、黒い靄のような塊がいくつか、一直線にこちらへと向かってくる。
それらは、小さいながらも獰猛な羽虫の群れだった。
風に乗って毒性の燐粉を撒き散らす害虫で、人を襲うこともある。
その姿を認め、シローは小さく舌打ちした。

「……ちっ」

個々では恐れるに足りない生き物だが、彼らはとにかく頭数が多い。
そのため、少人数で襲われると対処しきれず、最悪命を落とす場合すらあった。
無論、シローとて修羅場を潜り抜けてきた男だ。いくら相手が多勢といえど、虫ごときに遅れを取りはしない。
しかし、敵は辺り構わず毒を撒いてくる。風向きと運が悪ければ、コテツがその犠牲となる可能性は充分にあった。
「下がってろ、コテツ!」
迫る羽虫たちを素手で叩き落としながら、シローが息子を少しでも遠ざけようと叫ぶ。
だが、肝心のコテツから返ってきたのはこんな台詞だった。
「やだ! おれ、怖くなんかない!」
少し声が震えてはいたものの、この状況下で意地を張り通す根性はある意味立派とも思える。
ただ、今はそれを称えられるほど余裕のある場面ではなかった。

「後ろにいろって言ってるだろ、このクソガキが!」

怒鳴りつつ、有無を言わさずコテツを突き飛ばす。
思ったよりも崖との距離が開いてなかったことに気付いたのは、次の瞬間だった。
「あ」
しまったと思い振り返った時には、もう遅い。
瞬く間に、コテツの小さな身体は視界から消えていった。
「ちぃっ、まずった!」
鬼神の如き勢いで残る羽虫たちを片付け、息子が落ちた崖下を覗き込むシロー。
「コテツ!」
名前を呼ぶものの、返事はない。
しかし幸いなことに、そこは岩が剥き出しの地面ではなく、木や草が生い茂る一帯だった。
高度も思ったよりは低いため、余程運が悪くなければ、そう大きな怪我はしていないだろうと思われる。
ただ、崖の角度はほぼ垂直に近い。手がかりになる突起はそれなりに多いとはいえ、これを登るのは大人でも苦労するだろう。
「さて、どうするか……」
本来ならばすぐにでも救出に向かうべきだったが、シローはなぜか先刻の獅子の話を思い出していた。
やがて、一つの考えが頭に浮かぶ。

「……トラの子って言ったのはあいつだもんな、うん」

呟くなり、シローはその場にどっかりと腰を下ろしてしまった。
随分と薄情な話かもしれないが、少しばかり息子の可能性を試してみたくなったのだ。
まずは自分でやらせてみて、いよいよ危なくなったら助けに行けばいい。
シローにとっては、男と父親の関係などその位が丁度良いとすら思える。
かくて、彼は待つことにしたのだった。



目を覚ました時、コテツが真っ先に感じたのは全身を襲う鈍い痛みだった。
自分に何が起きたのか、なかなか思い出すことができない。
「いてて……」
上体を起こすと、辺りには折れた木の枝があちらこちらに落ちていた。
不思議に思いつつ、一緒にいたはずの父を探す。
「父ちゃん?」
しかし、そこにはシローの姿がないばかりか、先ほどまで自分がいた場所との共通点すら見つけることができない。
周囲は茂った木に閉ざされており、手が届きそうに思えた空はどこまでも遠く、狭かった。
立ち上がり下を向くと、そこには破れ目と木の葉にまみれた服、無数の引っかき傷に覆われた自分の手足。
コテツはここで、ようやく自分が崖の下に転落したことに気付いた。
脳裏に、先刻の父の言葉が蘇る。

――獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすというからな。

「おれって、突き落とされたんだ……」
コテツは一瞬呆然としたものの、すぐに気持ちを切り替えることにした。
これもまた、父が自分に課した修行の一つなのだろう。
そうと決まれば、やる事はただ一つだ。
「――ようし」
両手で顔を叩き、軽く気合を入れる。
見上げる崖は高く険しかったが、何とかよじ登るくらいはできるだろう。
何よりも、ライオンの子にできて、自分にできないはずがない。
そう信じて疑うこともなく、コテツは岩をしっかりと掴んで登攀を始めた。


夕闇の薄暗い中、崖の麓では荒い息遣いだけが空しく響いていた。
必死にしがみ付く岩は冷たく、掌に滲む汗でやけに滑りやすい。
コテツは身体を上に持っていこうと必死に踏ん張るが、その拍子に足元の岩が崩れてしまう。
「うあっ!?」
バランスを失い、そのまま地面へと滑り落ちるコテツ。
幼い少年は負けじと再び崖に取り付いたが、異変は丁度その時に襲ってきた。
「……ぐっ」
指先を貫いたような激痛に、思わず顔を顰める。
両手だけで中途半端に崖に留まろうとした結果、爪がいくつか剥がれていたのだ。
痛みで力を入れることもままならず、コテツは動きを止めてしまった。

「いてぇ……」

指だけではない。ここに落ちた際に木の枝に引っ掛けたり、登攀の途中で岩に擦ったりで、至るところに血が滲んでいる。打撲による痣も、既に全身に及んでいた。
今までは興奮のあまり自覚できなかったのだが、疲労もそろそろ限界に近い。
全身の力が抜け、急速に気力が萎えていく。
コテツはとうとう、仰向けに地面へと倒れこんだ。

「はらへった……」

もう、日はすっかり沈んでしまっている。
夜の帳が落ち、闇と静寂がコテツに重くのしかかってきたが、もはや残されたものは空腹と喉の渇き、寒さ――そして痛みだけだ。
絶望は、少し遅れてやってきた。

「……死ぬのかな、おれ」

そう口にした途端、耐え難い恐怖が襲う。
恐ろしい姿をした真っ黒な怪物が側にいて、今にも自分を飲み込んでしまうのではないかと思った。
これが、死ぬということなのか。

「……いやだ」

堪えきれなくなった涙が、目尻から溢れて顔の横を伝う。

「助けてよ……父ちゃん」

怖い。死にたくない。
そうだ。父ちゃんなら、こんな崖はすぐ登ることができるはずだ。
それなのに、どうして助けに来てくれないのだろう。

ひたすら父を求めていると、コテツの脳裏では突如として一つのイメージが像を結んだ。
それは雄々しい一頭の虎の姿――少年が憧れてやまない、最強の戦士の象徴だった。
同時に、父に教えてもらったライオンの子の話を思い出す。

子を谷に突き落とした父ライオンは何故、子を助けに行かないのか?
答えは一つ。子が登ってくるのを待っているからだ。
そして、子は必ずそれに応えなければならない。
そうやって初めて、ライオンの子はライオンになるのだ。

――死んでたまるか。

決意とともに、傷ついた身体をゆっくりと起こす。
視線は、再び崖の上に注がれていた。

――だって、おれはトラの子だから。

全身と指先の痛みは相変わらずだったが、もう恐怖は感じない。
コテツは、導かれるようにもう一度岩へと手をかけた。
ゆっくりと、だが確実に、小さな身体は上へと進み始める。

――絶対に、トラになるんだ。

汗で手が滑っても、片方の足が支えの岩を失くしても。
それでも、コテツは落ちることなく登り続ける。
少年を突き動かしていたのは、たった一つ。頂点に届こうとする思い。

「ライオンになんか、負けるかぁああっ!!」

月明かりの下、腹の底からの叫びが岩山へと響き渡った。



岩山の頂上では、シローが未だに胡坐をかいて座っていた。
崖下に転落したコテツが戻るのを待ち構えているのだが、いつまで経っても息子が這い上がってくる気配はない。
もう、辺りはすっかり暗くなっている。子供の体力を考えると、シロー本人が動くべき頃合と考えるべきだろう。

「――そろそろ、探しに行かないとアウトか」

そう呟いて腰を上げたその時、崖の下から雄叫びが聞こえた。
言葉の内容までは聞き取れなかったものの、コテツの声に間違いはない。
「やっと来たか」
ほくそ笑みつつ、その場に座り直すシロー。
再び待つことしばし。コテツの小さな身体が、ようやく岩山の頂上へと姿を現した。
「ふ……がっ!」
両手でしっかりと岩の縁を掴み、全身で最後の一歩を這い上がる。
大きく息を吐き出すと、ゴールを切ったことへの喜びからか、コテツは両の拳を握り締めて天を仰いだ。
先ほどで叫び疲れたのか、それとも声にならないのか、普段は煩いほどの息子が、今は一言も発しない。
「コテツ」
シローが歩み寄ると、コテツは父の姿を認めてニッと笑った。

「父……ちゃん。おれ……ライオンの子に勝ったよ……」

掠れた声でそう言い残し、糸が切れたように倒れ伏す。
次の瞬間には、早くも小さな寝息が聞こえていた。
「馬鹿だな、上っただけなら引き分けだ。それに、時間がかかり過ぎてる」
気を失った我が子を抱き上げ、寝顔を覗き込むシロー。
コテツの表情は、土と血にまみれてもなお誇らしげだった。
「――まあ、よくやった方か」
今日ばかりは、健闘を褒め称えてやろうか。
シローは目を細めると、そっとコテツの頭を撫でた。



コテツが激戦を勝ち抜いたその夜、家ではもう一つの戦いが繰り広げられることとなった。
食卓を挟んでシローと向かい合うのは、彼の妻であり、コテツの母でもあるリンファン。
眉間に皺を寄せ、力の篭った視線で正面からシローを見据えている。

父子が遅い帰宅を果たした時、リンファンは満身創痍なコテツの姿にまず驚いた。
慌てて夜間でも融通のきく医師の手配をし、診察と手当てが終わるまではずっと息子にかかりきりだったのだ。
コテツが一向に目を覚まさないので随分と心配したが、医師の話では疲れて眠っているだけで、怪我も見た目よりは軽いものらしい。
その言葉を聞き、どんなに胸を撫で下ろしたことか。

母にとって、子は第一の宝である。
リンファンはコテツの後にもう一人、ユィファという女児を産んでいたが、二人とも、等しくかけがえのない存在であることに違いはない。
だからこそ、彼女は激しく怒っていた。
幼い我が子を崖から突き落とし、あまつさえそのまま放置した父親――シローに対して。
若い頃から破天荒で、無茶をやる男だと知ってはいたが、息子の命を危険に晒すとは一体どういう了見なのか。返答次第では、ただで済ませるつもりなどない。

「――さて、話をじっくり聞かせてもらいましょうか」
「そう怒るな、皺が増えるぞ」

この状況でなおも軽口を叩く夫に激昂し、拳を食卓へと叩きつけるリンファン。
もはや、怒気を通り越して殺気に変わりつつある。
その剣幕に押されるように、シローは食卓にしっかり両手を揃え、深く頭を垂れた。
「……ごめんなさい、もう言いません」
そんな夫の姿に、リンファンもいささか勢いを削がれる。
しかし、ふつふつと湧き上がる怒りはちょっとやそっとでは収まらない。
口を開くと、再びそれは小刻みに爆発を始めた。

「コテツはまだ六歳なのよ。万が一の事があったらどうするつもり」
「いや、たぶん大丈夫だと思ってたし」
「そんな曖昧な勘で、崖から落ちたあの子を放っておいたの?」
「俺の子だ、それくらいじゃ死なないさ」
「私の子でもあるのよ。――それとも何、私も崖から落として確かめてみる!?」

相変わらずのらりくらりと自分のペースを崩さない夫に苛立ち、最後はとうとう身を乗り出して怒鳴る。
流石のシローもこれは効いたらしく、狼狽した様子でリンファンを宥め始めた。
「わ、わかったから少し落ち着け。……な?」
「これが落ち着いていられると思うの? だいたい、あなたはいつも……!」
駄目押しの一撃を加えようとしたその時、居間の戸口で飼い猫のトラが鳴いた。

「――にゃあ」

振り向くと、いつの間にかそこに寝間着姿のコテツが立っていた。
傷と絆創膏に覆われた顔で、きょとんと両親を見つめている。
「コテツ……」
夜だというのに、大声を出し過ぎただろうか。
内心で後悔しつつ、リンファンはコテツへと駆け寄った。
腰をかがめて視線の高さを合わせ、うって変わって穏やかな口調で語りかける。

「ごめんね、起こしちゃった? それとも体とか痛い?」
「ううん」
「そう……良かった」

勢い良く首を横に振る仕草は、普段と何ら変わりがなかった。
それを見て、リンファンはようやく心の底から安堵する。
胸がいっぱいになってしまって、続く言葉が見つからない。
そんなリンファンに、コテツがにっこりと笑いかけた。

「母ちゃん」
「ん?」
「おれ、トラなんだよ」
「――虎?」
「にゃあ?」

リンファンが聞き返すとほぼ同時に、猫のトラが鳴き声を上げる。
どうやら、自分のことを言われたと勘違いしたらしい。
コテツは猫を両腕で抱き上げると、不満そうに口を尖らせてこう続けた。

「お前じゃないの。トラはネコだろ。
 おれはトラの子で、トラになったの。もうライオンの子にも負けないんだぞ」
「にゃあ?」

良くわからないといった様子のトラに、コテツが頬を大きく膨らませる。
それを見て、リンファンの顔には自然と微笑みが浮かんだ。
きっと、何よりもその言葉が今日の我が子の成長を物語っているのだろう。

「……頑張ったわね、コテツ」
「うん!」

胸を張るコテツの頭を撫でてやりながら、リンファンは心の中で願う。

――どうか、もうこんな怪我はしてこないでね……小さな虎さん。

彼女が振り向いた時、そこではもう一人の“虎”が息子を見て静かに笑っていた。


〔執筆者あとがき〕

『Material Wars』の物語として、一番最初に書いた作品です。

エピソードが生まれたきっかけは、ゲームの中(第3期)で「そういえば昔、親父に崖から突き落とされたんだよなあ」と、コテツに言わせたことでした。
最初はごく軽い気持ちでの発言だったのですが、そこからどんどんとイメージが膨らんでいき、とうとう短編として書くことに……。

こういった風に台詞の中から新しい設定が生まれてくるのも、ネットゲームならではの楽しみではないかと思えます。

内容の方は、我がキャラクターながら「何て考えの足りない子供なんだろう……」と、読み返して思わず苦笑がこみあげてしまいますね。
少しでも自分の力量や身の安全を考えていれば、あそこで崖を登るという発想は到底出てはこないでしょう……。